2007年01月09日

アピール「観察マナー」

もう一度 観察マナーを振り返ってみましょう

●先日、東広島市にお住まいの方(鳥を見る方ではありません)から、支部宛に次のような長文のメールをいただきました。その内容は、最近の鳥見の姿勢や風潮について非常に考えさせられるものです。ぜひ皆様にも読んでいただきたいと考え、長くはなりますが、個人が特定できる部分を除いてほぼ原文のまま掲載させていただきます。 (2004. 10. 17)



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■私は東広島市八本松町原という地域に住んでいるものです。私どもの地域は稲作が中心の農業保存区域に指定されています。1〜2年ほど前から公道・私道の別なく長時間の路上駐車が目立つようになり、当初は不審者かと思い気味悪く感じていました。

■今年に入ってから車の台数や頻度が増し、通りすがりに見ると車内には年配の男女が双眼鏡を持って何かを見ておられました。月を追うごとに台数、人数が増えていき、ほぼ毎日のように道の両側、私どもの私道にも堂々と駐車して、大きな三脚つきの望遠鏡を何時間も覗いておられます。

■ある時には私どもの敷地内に入ってきて、父が咎めますと「ここには珍しい鳥がいるんですよ。覗いて御覧なさい。」とこちらの迷惑は気にもかけていない様子。自己紹介までされました。

■私どもの地域は先述しましたように田園の広がる地域で、今、野鳥が飛来しているのは、国の減反政策により、稲の作られない田や、高齢化により手入れができなくなり、放置状態にある田が自然の湿地のような役割をして鳥が好んで来ているものと思われます。そこがそのような人のたまり場になるようでは、田の持ち主は気が傷みます。

■人様が何をしようが関係のない話かもしれませんが、連日入れ替わり立ち代り、家の前に駐車され、何人もの団体で望遠鏡を覗いておられる姿を目の当たりにするのは、気持ちの良いものではありません。また違法駐車により他の通行の妨げになっているのに、そこにいる方々は誰一人気づくこともありません。望遠鏡が我が家のほうに向いている時は、家の中を見ているわけではないと思いますが非常に嫌な思いをします。洗濯ひとつ干せない気持ちです。

■今朝、公道に4台も車を連ねて駐車し、やはり望遠鏡を覗いておられました。たまりかねた私は警察に通報いたしました。警察の方はすぐに来て下さり注意をしてくださいました。警察の方によるともう何度も注意しているとのこと。

■その後、かつて自己紹介された方が来られました。「迷惑をお掛けしまして。」の後に続く言葉はやはり、「珍しい鳥が来るので皆に広めたい」「広島の人も呼んだ」「この地域は開発が進んでいる。」など。その言葉を聴いた私達家族の怒りは頂点に達しました。

■農業の指定地域ですのでこれ以上の開発など進むはずもありません。それに自然保護を警鐘される方々なら、エアコンを利かせた車内から鳥を見るなんてことがあるでしょうか。先般、県北でのダルマガエルが絶滅の危機に追いやられた事例のように、本当に保護を訴えなければならない地域が他にあるはずと思います。私には、道路沿いで車の中からでも珍しい鳥がみられ、大勢で集まれる格好の場所に過ぎないのではないかと思えました。自然を愛する方々なら、周囲にも気を配って頂きたいと思います。あんなに毎日のように、堂々とした様子で望遠鏡で観察するのではなく、そっと見守っていただきたい。私達にも普通の生活をさせていただきたい。今後はこの近辺で観察をされることを遠慮していただきたい。そのように思います。

■野鳥を好む方がこのような方ばかりでないことは十分承知しています。しかしこのような事実があることも是非知っていただきたく、またできれば注意を促していただきたいと思いメールをいたしました。失礼なことばかり書きましたが、私達の本音です。よろしくお取り計らいください。


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●このお便りに対しましては、早速次のようなお返事させていただきました。


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 ご指摘の件、ごもっともだと思います。そして、お話に出てきた人物、その他のカメラや望遠鏡を並べている連中の多くも、おそらく県支部の会員であろうと思います。
 お住まいのある東広島市特に八本松の一帯は、県内では数少ない「田園地帯」と呼べる環境で、以前からその地ならではの野鳥が多く生息し、付近にお住まいの会員の方も何人かいらっしゃいます。私達の会でも年に1回「探鳥会」を催しております。そうした機会には、かならず駐車場所を確保し、観察マナーなどについても注意しているつもりなのですが、最近の傾向として、誰でもそれなりの写真が撮れるデジカメやスコープの発達と、インターネット・メール網の発達により、会としての方針や呼びかけなどに関係なく、自分勝手に行動したり、そっとしておくべき野鳥(そうした鳥ほど「珍しい」という事になるのですが)情報があっという間に広がって、平日でも人が群がるというような事が目に付くようになっています。(特に昨年から今年にかけて、そうした情報が流れていたのを私も聞いております。)

貴方様のお宅の回りでの出来事だけでなく、県内の別の場所では、キャンプ施設(そこで珍しい鳥が繁殖したのです)で、楽しく食事をしている家族やグループに遠慮なく双眼鏡や望遠鏡・カメラを向けたりして、管理者から「野鳥撮影お断り」の立て札を出されたりしたこともあり、そうした機会には支部報などで注意を促してはきました。しかし、残念ながらまさに「勝手連」は増えています。もちろん全会員からみれば「一部」ではありますが、好きな仲間だけで集まり、動き、撮り、自慢しあい、貴重な鳥だろうが何だろうが見つけ次第情報を垂れ流すといった行動をとるバーダーが目立ちます。
 私達の会・支部は「野鳥をあるがままに楽しみたい」というコンセプトで集まった同好の士の団体ですが、あくまでも各人の節度と自然に対する礼儀に期待しての集まりであり、法的な規制や明確な義務規定があるわけではありません。しかし、一部のこうした行動が、地元の方々に迷惑をかけ、ひいては会全体のイメージダウンにつながるのであれば、やはりこのまま放置しておくわけにもいきません。今回のお便りにつきましては、心当たりの人達に注意を促すだけでなく、支部報やホームページなどを通じて、再度会員全体にマナーについて考えていただくよう呼びかけていく所存でおります。もちろんそれですぐにこうした行動がなくなるとは思いませんので、何か問題がありましたら直接のご注意、ご通報(私有地への侵入や路上駐車はあきらかに法律違反ですから)もお願いいたします。ただ、こうした人だけが「野鳥の会」の者だという風にはどうぞお考えにならないでください。


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●こうした問題は、以前から有名探鳥地などではよく取り上げられていましたが、最近はいろいろな場所でも顕在化しているようです。日本野鳥の会の「野鳥」誌でも常にマナー向上を訴えていますし、「バーダー」10月号でも、デジスコ撮影時のマナーについて注意を喚起していました。バードウォッチングの仕方の多様化と情報化の時代を迎え、一つの出来事・一つの行為が野鳥や環境に及ぼす影響は、昔とは比べ物になりません。このあたりでもう一度私達自身が、鳥だけでなく周囲にも目を向け、気を使う事について再認識すべきではないでしょうか。 

野鳥の会が呼びかけている「や・さ・し・い・き・も・ち」の「 き 〜気をつけよう、写真・給餌・人への迷惑 」について、ぜひ考えてみてください。街中はもちろん、公道でも、山里でも、川辺でも、「レンズの方向は?」「停めた車の影響は?」「この情報を流した時の野鳥や環境への影響は?」といった事柄を、常に心に留めて行動したいものです。

改めて皆様に、探鳥マナー・撮影マナーの向上を訴える次第です。    (文責:小島)



*今回の件で、恒例の東広島探鳥会について実施すべきかどうか連絡会で話し合いましたが、むしろ観察マナーを訴える場、指導する場として行うべきだという結論に至りました。今年も「東広島探鳥会」は行います。ご参加の皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

posted by エナガ at 11:31| Comment(0) | アピール・観察マナー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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